NiTiファイルの歴史2:ファイルの進化について
ももこ歯科のブログを読んでくださる皆様、
いつもありがとうございます。
NiTiファイルについてのお話がずいぶん滞っておりまして、申し訳ありません。
早速ですが、NiTiファイルの歴史編 :NiTiファイルの進化についてお話しします。
根管形成の意義
根管形成は、無菌的処置の1つです。NiTiファイルでもステンレススチールファイルでも、
根管の全周を形成できれば、細菌数を減らせます。
では、どんなファイルが根管形成に適しているか。
根管の中央で形成でき、形成中に破折しにくい、術者の負担軽減を可能にするファイルが、根管形成に適しています。すべての要件を満たすファイルは存在しませんが、現在のところNiTiファイルが、最適な根管形成の器具になります。
それではNiTiファイルの歴史をお話ししながら、どのように改良されていったかをNiTiファイルの年表を示しながらお話しします。
第一・第二世代NiTiファイル

1992年に誕生した第一世代のNiTiファイルは、ファイルの表面がかけやすく、切削効果は期待するほど優れておらず、破折抵抗や耐腐食性が乏しいものでした。
1990年代終わり頃に誕生した第二世代のNiTiファイルは、alternating contact pointや電解研磨を取り入れて第一世代の反省点を改良しました。電解研磨は切削効果を高めて、ファイルの破折抵抗や耐腐食性を向上させました。
第一・第二世代NiTiファイルの特徴
第一世代と第二世代のNiTiファイルは、力によって弾性効果と形状記憶効果を発揮します。
力を加えるとファイルは曲がり(弾性効果)、力を取り除くとファイルは真っ直ぐになり、元の形態に戻ります(形状記憶効果)。
では、第二世代NiTiファイルの弾性効果と形状記憶効果を動画でみてみましょう。
動画のような効果を実際の治療で発揮する場面は、以下の図のような湾曲根管をNiTiファイルで
拡大形成する時です。

では、そもそも合金ではあっても、金属であるNiTiファイルが、なぜ曲がったり、まっすぐな形に戻ったりするのでしょうか。それは、マルテンサイトとオーステナイトが変態を起こすからです。
弾性効果と形状記憶効果は、将来誕生するNiTiファイルで改良され続けます。
力あるいは温度によって、マルテンサイトとオーステナイトが変態します。
次回は、NiTiファイルの
マルテンサイトとオーステナイトについてお話しします。
お楽しみに。
